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キッチンカー(移動販売)1日で100万稼ぐ!イベント出店のリスクとリターン

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突然ですが「失敗ノート」というものをご存知でしょうか。

失敗ノートとは、世界的な投資家のウォーレン・バフェットの右腕ともいえるチャーリー・マンガーが実践しているノートで、客観的に見ることのできる他人の失敗やしくじったニュースが書き留めたもの。

このノートの目的は、失敗からできるかぎり離れること

成功の要因はあまりにも多く、真似することが難しいですが、先人の失敗したポイントを知ることで、それを事前に避けることができる。

同じ轍(てつ)は踏まない

キッチンカー運営に関する記事は数多く見かけますが、本当のリスクに対して言及しているものは少ないように思います。自分がその業界に身を置いていたら、「どれだけ辛いか」よりも「これだけ頑張っている」「これだけの成果が上がった」といったプラスの面だけを発信したいのは当たり前です。

つらい思いをしているのは本人が一番わかっていることで、それをわざわざ不特定多数に発信しても自分が惨めになるだけですし、人間は見栄をはりたい生き物なのである意味当然のこと。

それよりも、ただ伝聞だけの情報で、自分は一切経験をしたこともないのに「夢のある業界」だと、いい面だけしか説明しない(知らない)コンサルタントまがいの方もいるようですが、口で言うのは簡単ですが「それ自分でやったことあるの?」と、一度聞いてみたいです。

私は、約2年という短い期間ではありますが、キッチンカー運営をした経験があります。その経験のなかで実際に肌で感じたリスクをありのままにお伝えし、これから移動販売業界で起業を志す方の失敗ノートとして役立てていただければと思っております。

成功する方法は無数にありますし、もし知っていたとしても、失敗するリスクを把握していなければ思わぬところで躓く可能性も十分にあります。ですが、失敗するリスクを知っていれば、より長く事業を継続していける可能性が上がります。

リスクをいくつかのカテゴリーに分けて、それぞれにまとめてみました。本記事では、キッチンカーで大きく売上を伸ばせる方法の一つである「イベント」について考えてみたいと思います。私の失敗が少しでも、同じ夢を志す方の役に立ちますように。

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そもそもイベントって何?

これから開業を考えている方には「イベント」とはそもそも何のことを言っているのかわからない、という方もいるかと思いますので、簡単に説明します。

大小様々ありますが、一言で言うと「お祭り事」のことです。小さいものですと週一度の朝市や月に一度のマルシェ、最近では神社のお祭にキッチンカーを見かけることもあります。

今回本記事で取り上げるイベントは、その中でも大きいものにあたる「フェス」の出店に際してのリスクについて考えていこうと思います。

リターンとは

リスクがあるということは当然リターンがあります。まずはこの「リターンとは何か」について解説します。

リターンとは単純明快で「多くの売上を上げられる」ことです。もっと具体的に言うと「1日で100万単位で売上を上げられる可能性」があります。嘘かと思うかもしれませんが本当の話です。

ですが、これだけのリターンが得られるということは、当然リスクもそれなりに伴います。キッチンカーにとって「フェス」出店は超ハイリスク超ハイリターンと言えるでしょう。

ビギナーズラックはありえない?

例えば、株やギャンブルなどは全くの無知識の人が大きく稼げてしまう「ビギナーズラック」というものがよくあります。なぜなら当たる可能性は確率の問題だからです。ですから何も考えず適当に買っても、誰にでも当たる可能性がある。

ですがこのキッチンカーのフェス出店に関して、ビギナーズラックは絶対にありえません。なぜならフェス出店に関しての「当たり」とは確率の問題ではないからです。

フェス出店でリターンを勝ち取るためには絶対条件として「情報」「準備」「経験」が不可欠になります。フェス出店で大きく稼げる人、稼げない人の差はここにあります。

リスクとは

リターンとは何かがわかったら、次は「リスク」について解説していきます。リスクも非常に単純で、「出店、またはそれにかかる経費」そのものがリスクになります。

ここでは、目標売上を100万に設定した時にかかる経費を例にあげて考えてみたいと思います。

具体的な経費

まず経費の項目としては以下があげられます。

  • 出店料
  • 目標額分の食材、資材
  • 人件費
  • 交通費(宿泊費)
  • レンタル用品、看板など

出店料

出店料に関してはフェスによるのでなんとも言えないところですが、大体「固定出店料 + 売上に対して○%」という形で取られるところが多いように思います。

例えば、「固定出店料6万円 + 売上の20%」とした時に、「100万」売上があったとしたら「6万 + (100万 × 20%)」で出店料は26万円になります。

目標額分の食材、資材

イベントでは普段より単価を上げるのが普通ですので(お祭り価格と言うやつ)フード原価25%、ドリンク原価35%としましょう。売上構成比が(フード)6:4(ドリンク)とするとフード売上60万の内原価が(60万×25%)15万。ドリンク売上40万の内原価が(40万×35%)14万。総原価29万。

イベント時はドリンクの提供など普段とは違った準備が必要になってきます。詳細としては以下のようなものになります。

ビールなどのドリンクなどを売りたい場合。缶ビール24入を10ケース、同程度の生ビールを用意するなら20Lの樽を5本。どちらの場合も5万程度。

(特殊なお米でない場合)ご飯物を出すならお米も炊ききれなくなりますので、ある程度は注文しないと現実的に間に合わなくなってしまいます。使用量にもよりますが¥400/kg程でしょうか。目標売上100万の場合、800食分用意するとして、1食のご飯使用量が250gとしたとき、ご飯の総使用量が200kg。そのうちの半分以上を注文したとして100kg。とすると、ご飯代だけで8万になります。

人件費

1日で100万を売り上げるのに、当然一人でできるわけはありませんので(ちょっとやってみたい気はしますが)最低でも自分を含めて6人は集めておきたいところです。家族や友人知人などに頼めるのであればベストですが、日雇いの派遣を頼むのが無難だと思われます。

4人派遣を雇うとして一日の日給と、フェスはほとんどが遠方になりますので、そこまでの交通費も合わせると一人当たり2万程度でしょうか。4人分なので8万。

交通費(宿泊費)

先程もちらっと触れましたが、フェスはほとんどが遠方になりますので行き帰りの高速料金。加えて、朝は早くからの準備、片付け終わるのも19時くらいになります。

一日働いた後にまた長時間運転して帰らなければならないことを考えると、どこか近くで一泊する場合はその宿泊費も考えなければなりません。高速の行き帰りで大体2万といったところかと思います。

レンタル用品や看板など

その他イベント出店に必須の用品をあげていきます。(基本的に仕込み場所に置き場がないことを想定して全てレンタルした場合)

  • 冷凍・冷蔵車
  • テント
  • アイスボックス(どぶづけ)
  • ビールサーバー(必要なら)

普段では到底使い切れない量の食材を持って行くことになりますので、大量のクーラーボックスや冷凍車、冷蔵車のレンタルは必須になってくると思います。一番小さいもので軽トラックタイプの冷凍車を2日間レンタルで4万。

1000食規模になると車内での調理だけではなかなか厳しくなります。例えば盛り付けだけ車両の外でやりたい、となった場合に移動販売営業の許可に加えて屋外での臨時の営業許可が必要になります。取得自体は簡単なのですが、営業の条件に、テント内でのみに調理行為が制限されますので、テントが必要になります。テントのレンタルに2日で1万ほど。

ドリンクを売る場合はそれを冷やすためのアイスボックス(どぶづけ)。2つを2日レンタルで1万。冷やすのに使う氷に1万。ビールサーバーは生樽とセットレンタルすれば数千円ですみます。

その他大きめな看板も必要になってきます。一度作ってしまえば使い回しできるのですが、作ろとしたら10万程度はみておきたいところです。

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具体的なリスク

以上であげたように、経費がそのままリスクと直結します。ここで目標売上100万を想定した時に最低限かかる経費(どれくらい準備すればいいのか)をまとめてみます。

  • 出店料 6万
  • 食材・ドリンク 29万
  • 人件費 8万
  • 交通費 2万
  • レンタル品 7万
  • (ないものとして)看板 10万

総額62万。

この状態で目標通り100万売り上げられたとしたら、出店料が20%で20万更に乗っかり82万。18万の利益になります。ちなみにこの準備量の場合の損益分岐点(赤字にならないギリギリのライン)は78万。

実際にはイベントによって出店料の違いと、食材費、人件費などいろいろと工夫できるところがありますが、かなりリアルな数字が出せたのではないかと思います。「イベントで1日で100万売り上げた!」と聞くと驚くかと思いますが、実際の利益はこの当たりに落ち着いているかと思います。

売れればいいが・・・

上記では100万を達成した想定で話しましたが、実際のところは当日の天候、お客さんの入り状況、出店台数、商材かぶり、出店位置等々様々な要因が絡みあいます。これがもし100万売るつもりで用意したが30万しか売れなかったとしたら。38万の赤字になります。

例えば主催者に昨年の実績を聞いた時に、昨年一番売れなかった店舗が60万だと言われたとしても、今年その額を大きく下回ってしまうことも当たり前にあります(実際ありました)。その60万が保証された売上ではないことは肝に命じておかないと痛い目にあいます。

残ってしまった食材も使えないものは廃棄することになりますが、冷凍品などで使えるものも、それを貯蔵しておく冷凍庫を使い切るあいだまでレンタルしておかなければならなくなります。用意する食数が多いだけに残ってしまったら目も当てられません(何度も言いますが実際にありましたし、他でもそういった話を聞きました)。

準備が大変

慣れてくれば良いのですがイベントに向けての準備も非常に大変です。いろいろとレンタル品を手配したり、人の手配をしたり。日々の営業の合間にレンタル品を受け取ったりレンタカーの受け取り、臨時営業許可の取得、ドリンク、資材、食材の買いだめ、仕込み・・・。

おそらくそのイベントの準備だけに1週間を費やす事になるかと思います。日々の営業を滞おらせた状態で赤字なんか出した日にゃもう報われません。

リスクを回避するために

ではどうすればこのようなリスクを最小限に抑えられるか。それには適切な目標設定が必要です。あまり高望みしなければ赤字になる可能性も抑えられます。逆を言うと売上を大きく伸ばすこともできなくなります。ですがはじめの内は慣れることのほうが重要なので、それまでは大きく稼ぐことは意識せずに、どうやったら利益をあげられやすいか、を考えましょう。

そのために、まずは徹底的な下調べから始めます。

下調べの観点

では具体的にどういった情報を集めればいいか。その観点をまとめました。

実際にイベントにお客として行ってみる

実際にお客として行ってみましょう。その時に見るポイントは

  • どういった雰囲気のイベントか(客層)
  • 出店台数
  • メニュー(売れているもの、そうでないもの)
  • 出店場所がイベント会場のどの当たりに位置しているか(人が流れてこないところはないか)
  • 悪天候でも食事できるところはあるか
  • ピークの時間帯は
  • キッチンカー以外に飲食できる施設やお店があるか

まず自分の商材と客層がマッチしているか。していなければそのイベントでは厳しいかもしれません。

例えば自分がお客として行ったときより出店台数が多くなっていた場合は売れないことを想定しておいた方が良いでしょう。これも実際にあった話で、主催者側で出店者を急遽増やしたために、例年比べて全体の売上が半分に落ちてしまったことがありました。ですので出店者数はしっかりと主催者に確認しておきましょう。

それから場所も重要です。一番入り口に近いところに人が集まってしまい、人の壁が出来てそこからなかなか置くまで人が入ってこれない、なんてこともよくあります。ですので、自分が実際に出店する位置と人の流れを見定めて目標額を設定しましょう。出店位置が会場の一番奥になってしまったときはあまり期待しないほうがいいでしょう。

悪天候でも食事ができるようなところがあれば赤字のリスクを抑えられる要因になります。

キッチンカー以外に飲食できる施設やお店があった場合は要注意です。そこの利用状況なども調べておきましょう。

音楽フェスなどは曲の切替時に一斉に買いに来る傾向にあります。その数分が勝負ですので売り方も考えなければなりません。ですのでどこにピークがあるかもよく調べておいたほうがいいでしょう。

主催者に実績を詳しく聞く

主催者に昨年までの状況をできるだけ詳しく聞いておきます。

  • 出店数(例年と今年で違いがあるか)
  • 平均売上
  • 最高売上とその商材
  • 最低売上とその商材
  • 天候による客足の変動(悪天候時どれだけ落ち込むか)
  • 出店位置
  • 周辺施設で新設された飲食店などがないか

実際の失敗談

では最後に私の場合の失敗談を参考までにお話します。

まず主催者からの事前情報としては平均売上が70万で、最低でも60万との話でした。それをみこして設定した売上は70万。70万分の食材とドリンク、その他諸々を用意して当日に臨みましたが、結果は20万・・・。

最大の要因としては「例年より出店数が多かった」こと。これはイベントが終わって、主催者が最後に出店料を徴収する時に告げられたことです。(先に言ってくれよ・・・)

それからそもそも商材があまりマッチしていなかったこと、周辺にレストランができていたことも要因にあげられます。これはうちだけにかぎらず出店者の殆どが同じ状況だったようです。

当日一番売れたものは缶ビールでした。生ビールを出す予定でしたが、生ビールは予め主催者側で金額を設定されていたこと、缶ビールについては金額が自由に決められたので、少し安い金額で提供したらそれが当たり、缶ビールだけは用意した分の殆どが売れました。それが唯一の救い・・・。

まとめ

最後に大事なポイントをまとめたいと思います。イベントで赤字を抱えるリスクを最小限抑えるためには、適切な目標設定が最も重要。そのためには徹底的な事前調査。現地の下調べと詳細な実績の情報を手に入れること。

その上で入念に準備し、もし売れなかったときの対処法も考えておければベストです。

いい情報だけしか見ずに、安直にイベントに望まないようにしっかりとリスクを把握して確実に利益を勝ち取りましょう。

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