キッチンカー 仕事

キッチンカー(移動販売)自由気ままか超ブラックか。働き方はどう変わる?

更新日:

突然ですが「失敗ノート」というものをご存知でしょうか。

失敗ノートとは、世界的な投資家のウォーレン・バフェットの右腕ともいえるチャーリー・マンガーが実践しているノートで、客観的に見ることのできる他人の失敗やしくじったニュースが書き留めたもの。

このノートの目的は、失敗からできるかぎり離れること

成功の要因はあまりにも多く、真似することが難しいですが、先人の失敗したポイントを知ることで、それを事前に避けることができる。

同じ轍(てつ)は踏まない

キッチンカー運営に関する記事は数多く見かけますが、本当のリスクに対して言及しているものは少ないように思います。自分がその業界に身を置いていたら、「どれだけ辛いか」よりも「これだけ頑張っている」「これだけの成果が上がった」といったプラスの面だけを発信したいのは当たり前です。

つらい思いをしているのは本人が一番わかっていることで、それをわざわざ不特定多数に発信しても自分が惨めになるだけですし、人間は見栄をはりたい生き物なのである意味当然のこと。

それよりも、ただ伝聞だけの情報で、自分は一切経験をしたこともないのに「夢のある業界」だと、いい面だけしか説明しない(知らない)コンサルタントまがいの方もいるようですが、口で言うのは簡単ですが「それ自分でやったことあるの?」と、一度聞いてみたいです。

私は、約2年という短い期間ではありますが、キッチンカー運営をした経験があります。その経験のなかで実際に肌で感じたリスクをありのままにお伝えし、これから移動販売業界で起業を志す方の失敗ノートとして役立てていただければと思っております。

成功する方法は無数にありますし、もし知っていたとしても、失敗するリスクを把握していなければ思わぬところで躓く可能性も十分にあります。ですが、失敗するリスクを知っていれば、より長く事業を継続していける可能性が上がります。

リスクをいくつかのカテゴリーに分けて、それぞれにまとめてみました。本記事では、キッチンカー業界での「働き方」について考えてみたいと思います。私の失敗が少しでも、同じ夢を志す方の役に立ちますように。

スポンサーリンク

「働き方の変化」が実は大きなリスク

開業にあたって、初期投資や車のこと出店場所、売上などを気にしている方は多いようですが、働き方がどう変わるかを気にして調べている方はどれくらいいるのでしょうか。少なくともそういった情報を見つけること自体が難しいです。

もともと飲食店で働いていた方は、少し朝方にシフトするくらいで、ほぼその生活スタイルに変化はないかもしれませんが、脱サラして移動販売開業を考えている方は、この働き方の変化をよく考えておかなければなりません。

開業してから「こんなにきついのか・・・」と気付いてももう後戻りは出来ません。そうならないためにもここで一度、具体的に働き方がどう変わるのかを知っておいたほうが良いと思います。

ここでは、私の生活スタイルの場合を例に、極力一般的な一日の流れをシミュレーションしてみましたので参考にして下さい。

シミュレーションしてみる

まずは各作業項目とそれにかかる時間を出してみます。その次に、その項目を実際の時間に当てはめて見たいと思います。

  1. 仕込み 2~3時間
  2. 食材積み込み 1時間
  3. 移動 1時間
  4. 現地到着~開店準備 1時間
  5. 営業 3時間
  6. 片付け 1時間
  7. 移動 1時間
  8. 買い出し 1時間
  9. 車から積み下ろし~車掃除 1時間
  10. 後片付け 1時間

ざっと一日の作業の流れはこんな感じです。何の商材を売るかで仕込みの内容や食材の日持ちも変わってきますが、大体どんな商材でもこのような流れでほぼ間違いないでしょう。それでは以降から各項目で具体的に何をするかの解説と、その項目の短縮方法を提案していきます。

仕込み

商材によって大きく左右されますが、基本的にお弁当を売ることを想定すると、メイン食材の仕込み、ご飯を炊く、などがあります。仕込み時間の短縮方法としては、保存期間の長いもの、冷凍保存できるものは一気に大量に作ってしまうこと。これは仕込み場所に保存するスペースがある場合に限られますが、これができれば日々の仕込みの負担をかなり軽減出来ます。

キッチンカーになぜカレー屋さんが多いかというと、作るのが簡単(美味しいカレーを考えるのは難しいです!)で、一度に大量に作れてなおかつ保存が効くからです。全てのカレー屋さんがこれを理由にカレーを選んでるわけではありませんが、他の商材に比べてこの点はかなり有利といえます。

余談ですが、車両の営業許可を取得しただけで仕込み場所の営業許可を取らずに開業をする場合は、この食材をストックしておくスペースがゼロになりますので、日々の仕込みに負担がかかります。さらに売りたい量も車両スペースの範囲内になりますし、商材も車両に用意した調理器具でできるものに制限されます。大きな鍋で大量に作ることも厳しくなりますし、更にそれをストックしておくことも出来ないです。

食材積み込み

仕込みが終わったら、仕込み場所の前に車両を止めて営業に必要なものを積み込みます。冷蔵庫がない場合などは保冷ボックスに入れて、お弁当箱やお箸などの補充も行います。

移動販売は、この車両の積み下ろし作業が非常に多くなります。ですので、比較的重いもの、発電機や炊飯器などは必要以上に大きいものは選ばないようにしましょう。(特に発電機は女性にはかなり重たい)車両の高さも高すぎると積み下ろし作業の負担が大きくなります。

移動

大体の出店場所は9時~10時くらいに現地に入れるようになっていて、人が増え出す時間帯(11時くらい)には入庫が出来なくなります。初めての出店場所に行く場合は道路状況もわかっていないので、時間に余裕を持って出るようにします。

大体8時~9時台が移動時間になりますが、この時間帯は道路が混み合います。空いていたら30分で着くような道も1時間以上かかってしまうなんてことはよくあります。よく知っている道でも、自分が普段通っている時間帯を思いだして、違うようならあまり参考にしないほうがいいでしょう。はじめて行くところは何通りか経路を予め調べておいて、出店日にひとつずつ実際に通ってみて、最短時間で到着できる経路を見つけるようにします。

慣れてくると「この交差点は右折待ちが多いから車線変更して、」などポイント毎にショートカットできる部分がわかるようになってきます。

現地到着~開店準備

現地に着いたら挨拶を済ませ、開店準備に取り掛かります。電源を借りれないところは発電機を動かします。移動中は資材などが動かないように固定しますが、営業時はお弁当箱や箸などはすぐ取り出せるような位置に配置します。

フライヤーや鉄板で調理を行うならガスを準備して、温めが必要なものは火にかけておきます。看板を目に付きやすい位置に出して、身だしなみを整えたら準備完了。

慣れてくれば30分程度で終わりますが、商材によっては現地に着いてから焼き始めたりしたい場合もありますので、準備時間は人によってまちまちです準備時間は短いに越したことはないので、その点も考慮して仕込みなどを工夫するといいでしょう。

営業

平日ランチの営業時間はどこもほぼ同じで、11時〜14時まで。早ければ11時くらいからちらほらお客さんが見え始めますがほとんどは12時からピークが始まり12時半には落ち着きます。

たったの30分です。この30分でその日の売り上げの8割が決まります。なので実際の営業はとにかくスピード勝負。もちろんクオリティは最優先ですが無駄な手間、無駄な動きは徹底的に省いて、1秒でも提供時間を短縮できるように努めます。

一般的なサラリーマン、OLの休憩時間は12時から13時までの1時間です。食べる時間と休む時間を考えたら遅くとも12時半までには食べ始めたいので、大体どれくらい並んでいるかを見て、時間が間に合いそうになかったら別のところに並んでしまうでしょう。

味が確かなら少しでも早い方が選ばれます。飲食業に馴染みのない方はキッチンカーを見て「のんびり自分のペースで仕事ができるなんて羨ましい」なんて思っていたりするかと思いますが、実際はそんなこと全くなく、ピーク時は常に全力で動き続けています。

片付け

大体13時を過ぎると客足が落ち着いてきますので少しずつ片付けを始めます。遅い時間でも稀にお客さんが来ることはありますが、出店は毎日ありますので、あまりここで無理をしても仕方がないので切り替えはしっかりと行ったほうがいいと思います。

キッチンカーの運営方針は全て自分で決められます。それがメリットでもありますが、売り上げが思うように上がらないと、時間を伸ばしたり休みを減らしたりと、セルフブラックになりやすいです。ですので、実際の営業の時間と、それに対する反省と対策の時間をきちんと切り替えを行うようにして、ダラダラ営業が長引かないように時間を有効に使いましょう。

買い出し

買い出しもなかなか時間のかかる項目ですので、出来るだけ一度に数日分買い揃えるようにすると時間の短縮につながります。都内には大型の業務用スーパーがいくつかありますので、出店場所と仕込み場所の間にある店舗を見つけて買い出しをするようにすると移動時間の短縮にもなります。

野菜などはもし近くに配達を頼めそうな八百屋さんがあれば頼んでみるのもいいでしょう。これだけで買い物の手間を大分減らすことができます。

積み下ろしと車の掃除

営業を終えて帰ってきたら、余った食材や使った調理器具などを車から降ろして、車内を掃除します。個人的にですがキッチンカーを車内まですごく清潔に保てている方は少ないように思います。

車内は狭い上に物も多く、油などが飛散して汚れやすいので仕方がないのですが、お客さんにとってみたらやはり衛生面が気になります。どれだけ味が良くても清潔感がないお店では買う気がおきませんので、車内の掃除も手を抜かないようにした方がいいでしょう。

後片付け

営業で使った調理器具などを洗ったり、翌日の仕込みの下準備を行います。商材によっては朝の仕込みの時間だけだと間に合わない時は営業後に時間をかけて仕込みを行い、翌朝の仕込みは最低限で済むようにしておきます。仕込みの時間を朝に取るか営業後に取るかは人によってまちまちです。

一日の流れ(例)

それでは以上の項目を踏まえて一日の流れに当てはめてみたいと思います。

5:00 起床
6:00 仕込み場所に到着、始業 仕込みを始める
8:00 車両を取りに行く~積み込み
9:00 出店場所へ出発
10:00 到着〜開店準備
11:00 開店
13:30 暇な時間帯に自分の食事を済ませる
14:00 営業終了~片付け
14:30 出店場所から出発
15:00 買い出し
16:00 買い出し終了
16:30 仕込み場所へ到着〜荷物を降ろして車両を掃除~車両を駐車場へ戻す
17:30 後片付け〜翌日の下準備
19:00 終業

前述したように買い出しを週に2〜3回に抑えられれば、買い出しの無い日は終業時間がその分早まります。商材によっては営業後に仕込み行いますのでその場合は2〜3時間後ろにシフトします。朝は苦手、という方は前日の夜に仕込みを済ませてしまい、翌日は積み込むだけの状態にしておくといいでしょう。

いかがでしょうか。飲食業界経験のある方は「まぁこんなもんか」という感じだと思います。お客さんとしてキッチンカーを見ていると、会社に縛られず自由に仕事ができて羨ましく見えますが、自由とはつまり全責任が自分一人にある事です。

自分が望む売り上げを上げるためにはそれなりの努力は当然必要になります。この生活を週5日でもかなりきついと思いますが、前述したように売り上げが上がらなければ出店を増やさなければなりません。

せっかく大金と自分の人生を賭けて業界に飛び込むなら働き方がどう変わるかをきちんとシミュレーションして、覚悟を決めて臨みましょう。

最後に

私はイタリア料理を5年、パン作りを3年経験したのちにキッチンカー業界に誘われて飛び込みました。キッチンカーは2年で廃業してしまい、現在はプログラマーをしております。飲食業から全く違う業界に飛び込んでみて初めて「飲食業界はコスパが悪すぎる」事に気付きました。

少しずつ働き方が見直されているとはいえまだまだ他の業界に比べたら低賃金長時間労働である事には変わりません。ですが料理やパン作り自体が嫌いになったわけではありません。料理そのもの、パン作りそのものはとても奥が深く、ハマればめちゃくちゃ楽しい世界です。

ですので私は、キッチンカーは副業として行うことを強くお勧めします。キッチンカーの最大のメリットは初期投資と維持費が安く抑えられること。例え週一回の出店でも商材や売り方を工夫すれば全然ペイ出来てしまいます。

本業にして、収入が一本化されてしまうと売上ばかりに気がとられて、自らを過重労働に追い込んで行く事になります。自由を求めて起業したのにこれでは意味がありません。

例えキッチンカーが失敗しても大丈夫、という安心感があればキッチンカー運営に余裕が生まれ、あらゆるトラブルにも柔軟に対応できるようになります。キッチンカーに魅せられて起業を志す方には、一度副業での起業を検討してみることをお勧めいたします。

キッチンカー(移動販売)売れるメニューについて徹底的に考え抜いてみた

キッチンカーと言ったらカレーライス、タコライスは定番ですね。今ではその数が多すぎて出店場所仲介業者がこの商材については断っているほど。ありきたりすぎてつまらない、と個人的には思うのですが、やはり市民権 ...

続きを見る

スポンサーリンク


スポンサーリンク


-キッチンカー, 仕事

Copyright© 諸行無常 , 2021 All Rights Reserved Powered by AFFINGER4.