料理

素材の味を最大限引き出す。アサリのスパゲッティ(ボンゴレビアンコ)の作り方

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ポピュラーなイタリアンのパスタ料理の一つ「アサリのスパゲッティ(ボンゴレビアンコ)」この料理には個人的に深い思いがありまして、私が料理人をしてた頃の得意料理でもありました。今回は私が絶対に美味しいと思う、私なりのアサリのスパゲッティの作り方を紹介したいと思います。

アサリの旨味を最大限感じれる料理法を求めて、いろいろと試行錯誤を経てやっとたどり着いた料理法です。特殊な食材は一切使っておりませんので料理人のみならず、一般的な過程でも十分再現出来るものですので、ぜひ一度試していただきたいです。

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実は、本場イタリアにはボンゴレロッソはない?

本題の作り方に入る前にこの料理についておさらいしておきましょう。日本では、アサリのスパゲッティはロッソ=トマトソースが入ったものとそうじゃないもの=ビアンコの2種類があるのが当たり前になっておりますが、実は本場イタリアでは「ボンゴレロッソ」という料理はありません。
※ちなみにイタリア語でロッソは赤、ビアンコは白、という意味です。見た目そのまんまですね。

単にアサリのスパゲッティというと、通常トマトソースが入っていないものを指します。イタリア語で見てみるとわかりますが、ボンゴレビアンコはイタリア語では「spaghetti alle bongole」と書きます。直訳すると「アサリの入ったスパゲッティ」

上記で「ボンゴレロッソ」という料理はないと言いましたが、正確に言うと、アサリのスパゲッティにトマトが入ったものはあります。イタリア語では「spaghetti alle bongole con pomodoro」pomodoroがトマトでconは英語で言うところのwithに当たります。これを直訳すると「アサリのスパゲッティ、トマト入り」になります。

「アサリのトマトソース」に比べたら、トマトがかなり脇役の印象になったことがわかると思います。ですのでイタリアでは、単に「アサリのスパゲッティ」と言ったらビアンコのことを指す、と覚えておくといいと思います。

作り方

ではいよいよこれより本題の作り方に入っていきます。

材料

まずは使用する材料をあげていきます。

  • 殻付きアサリ(なるべく大きいもののほうがよく出汁がでる)
  • にんにく
  • イタリアンパセリ
  • ピュアオリーブオイル
  • エクストラバージンオリーブオイル

とてもシンプルになっていると思います。それ故アサリの状態によって味が大きく左右されますので、できれば大きくて身がしっかり詰まった良いアサリを用意しましょう。

手順

①アサリを洗う

まずはアサリをボールに入れて軽く塩を混ぜた水に浸します。そして両手に収まる量のアサリを持って、優しくこすり合わせて、表面のぬめりをとっていきます。最後に流水でもう一度全体をすすぎます。

②砂抜き

なるべく大きめなバットにアサリが重ならないように広げていきます。(小さいものしかない場合はそこまで気にしなくて大丈夫です)2%の塩分濃度の水(海水に近いもの)を用意して、アサリの入ったバットに流し入れます。この時アサリが完全に水の中に浸らないようにしましょう。そしてバット全体をアルミホイルで覆い、冷暗所で2~3時間ほどおいておきます。

アサリがリラックスして呼吸を始めると、それに伴い砂が抜けていきますので、なるべくアサリにストレスを与えないように静かなところにおいておきましょう。砂抜きが終わったら最後に軽くもう一度流水ですすぎます。

③材料の下ごしらえ

とはいっても、そもそも食材も最低限しか使わないので、このフェーズでやることは、にんにくとイタリアンパセリを刻むくらいです。
にんにくは、丸のまま → スライス → みじん切り → すりおろし の順で香りが出やすくなり、また焦げやすくなります。

どれくらいにんにくの香りを出したいかは好みの問題ですので自分の好きなようにしましょう。当然ながら状態によってにんにく投入のタイミングは異なりますが、基本的にはどの状態でも焦げやすいので、ごく弱火でゆっくりと火をいれていきます。

最初ににんにくだけをフライパンに入れてごく弱火で全体がきつね色になるまで火を通します(丸のままならフォークがすっと入るくらい)。すりおろしは特に焦げやすいので火加減に注意して少しでも火が入ったらすぐに次の工程に入ります。

イタリアンパセリは、あまり細かくしすぎずに適度に(小指の爪の半分位の大きさ)刻んでおきます。にんにくもイタリアンパセリも自分の好みの量を用意しましょう。

④炒めて蒸す

まずはフライパにピュアオリーブオイルを適量入れて弱火にかけて、にんにくから火を通していきます。(ピュアオリーブオイルとエクストラバージンオリーブオイルの使い分けは後ほど)

にんにくがきつね色に色づいたら、イタリアンパセリを3分の1ほど入れて、アサリを加えます。(アサリを入れてからのフライパンの扱いも後ほど解説します)フライパンを優しくゆすり、全体にオイルが回ったらアサリがかぶるくらいの水を入れて蓋をします。この調理法では白ワインは使いません。その理由も後ほど。

⑤アサリから出汁をしっかりと取る

アサリが全て口を開けたら蓋を外して全てのアサリを下に向けます。こうすることでアサリの出汁がしっかりとスープに溶け出るようになります。ここで、スパゲッティを茹で始めます。茹で汁の塩加減は、しょっぱすぎず、適度に塩分を感じる程度に。

⑥スパゲッティと和える

スパゲッティが茹で上がる少し前で、アサリを全て一旦取り出します。スパゲッティを上げるタイミングはスパゲッティの芯が髪の毛一本分残る程度。この感覚は、茹でている途中で意識的に食べてみることで、だんだん上げるタイミングがつかめて来ますので、ぜひご家庭でもチャレンジしていただきたいです。個人的にはスパゲッティの硬さも好みだと思っているので、上げるタイミングもそれぞれで良いと思っています。

一応お店で出てくような、いわゆる「アルデンテ」はこの状態であげています。と、ここまで説明しておきながら、アサリのスパゲッティを作る際に関してはアルデンテよりも手前であげてしまいます。何故かと言うと、少し硬めであげてフライパンに移すことで、アサリの出汁で残りを茹でる形になります。

これをすることによりスパゲッティの中にもアサリの出汁が吸収されてよりソースとスパゲッティがマッチします。ここでの注意点はスパゲッティに完全に火が通る前に水が少なくなって来たら、適宜水を足していきましょう。

⑦乳化

乳化とは水分と油分が完全にバランスの取れた状態で、白濁のドロッとしたソースが乳化した状態です。難しいように感じるかもしれませんが意外と簡単です。要はフライパンの中の水分と同量の油分(ピュアオリーブオイル)を加えてしっかりと混ぜていきます。

フライパンを(中華の料理人みたいに)あおれるならそうした方がよく混ざりますが、出来なければ菜箸でぐるぐるとかき混ぜるだけでも大丈夫です。フライパンを傾けた時に白濁したソースがゆっくりと下の方にたれてきたらOKです。サラサラな状態だと油分が足りておらず、テカテカしていたら水が足りない状態です。

なぜソースを乳化させなければならないかというと、その方がスパゲッティによく絡むからです。せっかく美味しいアサリの出汁が取れてもスパゲッティと別々の味になってしまっては勿体ありません。この乳化も慣れることで簡単にできるようになりますのでチャレンジしてみてください。ちなみに油分の方が多くなってしまったときは反対に水を加えていきます。

⑧塩で味を調える

スパゲッティに火が通ってきたら、一度味見をします。塩加減が足りなかったら適宜塩を足していきます。塩を入れる際の注意点として、入れすぎてしまった塩は取り出すことが出来ないので、加える際には少しずつ、その都度味見をしながら足していきましょう。

⑨仕上げ

スパゲッティの火の入り具合、塩味の調整が済んで、もうこれで盛り付けられる!というところまで来たら、取り出しておいたアサリを加えて、残りのイタリアンパセリとエクストラバージンオリーブオイルを1周程度回し入れ、さっくり混ぜたら盛り付けて完成です。

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各所ポイントの解説

それではここでそれぞれの工程の詳しい解説をしていきます。

アサリの扱い

まずは⑥のアサリを入れてからのフライパンの扱いについて。よくアサリを入れたままフライパンをあおる方がいますが、個人的にはアサリの殻が砕けて、食べた時に感じるジャリジャリとした食感があまり好きではないので、アサリが入った状態ではフライパンは優しく揺らしながら混ぜる程度にしておきます。

白ワインじゃなくて水

次に、なぜ白ワインを使わないのか、について。多分殆どのレシピ本にはアサリのスパゲッティには白ワインを使うように書いているかと思いますが、もともとは、冷蔵庫などの家電製品が今ほど充実していなかった時代に、状態の悪いアサリを美味しくするため(臭いをごまかす)に使われていたもの。

現代ではアサリもいい状態で保たれているので、そこまで臭いを気にしなくて良くなりました。個人的にはアサリの酒蒸しもすごく好きなのですが、スパゲッティにする際にはもっとアサリの出汁の味を感じたいので、不要なものは極力省いています。

アサリは最大限出汁を取る

これも好みになりますが、私はスパゲッティにするなら、スパゲッティと出汁を両方マッチさせてこそだと思いますので、アサリは完全に出汁を取るようにしてます。

これはすなわち、出汁を取れば取るほど、アサリ本体の身が小さくなり、食べごたえがなくなりますので、アサリそのものも食べたいときは、半分出汁用、もう半分はそのまま食べる用として、口が開いたらすぐに取り出すようにしましょう。

スパゲッティに出汁を吸わせる

上記でも書きましたが、大事なポイントなのでもう一度。茹であげは、いつもより少し硬いくらいであげてしまい、残りはアサリの出汁の中で茹でることにより、スパゲッティの中に味が染み込み、より出汁との一体感が生まれます。

オリーブオイルの使い分け

ここではピュアオリーブオイルとエクストラバージンオリーブオイルと2種類のオリーブオイルを使っています。それぞれの特徴として、エクストラバージンオリーブオイルはその香りが最大の特徴で、高温の火にかけるとその香りが損なわれて、雑味や苦味だけが残ってしまいます。

ピュアオリーブオイルは、エクストラバージンオリーブオイルの雑味や、苦味を取り除いたもので、それだけだと香りもなくなってしまいます。そこへ更にエクストラバージンオリーブオイルを混ぜて、香りも残しつつ、使いやすくしたものです。

基本的には炒めるときにはピュアオイルを使い、サラダやドレッシング、仕上げにかけるなど、なるべく火にかけずに香りを楽しみたいものにはエクストラバージンオイルを使うようにします。

今回は盛り付けの直前にフライパンに入れていますが、適度に火が通ることで、より香りが立つようになりますので、仕上げる直前か、食べる直前にかけると、よりエクストラバージンオイルを効果的に使えると思います。

イタリアンパセリ

これもエクストラバージンオリーブオイルと同様で、適度に火にかけることで香りが際立ちますので、盛り付け直前で混ぜるのが良いと思います。イタリアンパセリは火が入ると、青のりのような風味が出ますので、魚介系と相性が抜群に良いです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。最後にポイントをまとめてみますと、

  • アサリから最大限出汁をとる
  • ピュアオリーブオイルとエクストラバージンオリーブオイルを使い分ける
  • フライパンの中でアサリを混ぜすぎない
  • スパゲッティの湯で時間は普段よりも1分程度短めにして、残りはアサリの出汁で茹でる
  • 水分と油分のバランスを整えてソースを乳化させる
  • 仕上げる直前にエクストラバージンオイルとイタリアンパセリを入れて、香りを最大限引き出す

なかなか一朝一夕でできるようなものではありませんが、ぜひ一度チャレンジしてみてください!

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